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隆兵そば
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2020.03.12

主役、脇役

活かす力。
俳句をやっていると、一番大切なことは やはり季語を活かすということに尽きるのではないだろうかと思います。
主役を主役たらしめる。
皆んなが主役なんて事を言いがちな世の中ですが、それでは何にもないくだらない世の中なのです。
全てのものには 必ず主役と脇役があります。
ただ、一つ大切な事は、主役が偉くて脇役が劣るなんて事は全くないということ。
脇役は主役を立てる為に全力を尽くす。
主役は立ててもらった期待に応える仕事をする。
つまりは、脇役は主役であり、主役は脇役であります。主役即脇役、脇役即主役であります。
これを無理矢理に揃えようとすることが いかに愚かなことで、自然の摂理に反することであるかを知らなければなりません。
いくら良いお造りでも、醤油やワサビがダメではその価値を下げてしまう。
でも反対に、普通のお造りでも醤油やワサビが良ければそれなりに美味しく感じるのが不思議です。
そばも同じで、つゆやワサビが安物ではダメですが、本気のツユやワサビで食べる安い麺は意外にも良かったりします。
主役を活かすのは脇役次第ということなのでしょう。
俳句なら季語を活かす。
茶懐石なら茶を飲む為の料理。
蕎麦懐石なら蕎麦を食べる為の料理。
割烹ならまずは庖丁、そして煮炊き。
いま、それらの主役が守られているかと言えば、甚だ疑問に感じるのです。
ちなみに隆兵そばは一度たりともそば懐石とうたった事はなく、そば懐石を名乗るつもりは毛頭ありません。

「随処作主立処皆真」

自分の置かれた立場に置いて全力を尽くす。
それこそが主役脇役を超えた主人公、本来の面目なのです。
皆んなが主役ではなく、主役脇役を超える。
主役にとらわれない。脇役にもとらわれない。
そこを超える。
それしか道はないのです。
そして、また、南北東西に活路は通ず、です。
そこまで行こう。また、それも超えよう。
程度の低い所をウロウロしている時間は無いのですよ。

そう思えば脇役なくして主役なし、であります。もちろん主役なくして脇役なしであります。

若い人たちよ、君たちは偉大なる脇役として主役を盛り上げる人生を歩むのか、はたまた、偉大なる脇役に盛り上げてもらいながら主役として生きていく人生を歩むのか、どっちだ!?

僕の応えはいつも同じ。

両方!