HIDE MENU
隆兵そば
  • 隆兵そばについて
  • お店案内
  • お知らせ
2011.02.01

椿

椿

第10回は、茶花の女王との異名もある椿(ツバキ)です。

お花が少ないこの時期に美しく咲くので重宝する椿ですが、どうしてか生けるのが難しいお花のうちのひとつです。〇隆兵そばの料理や空間に相応しく、と知らず知らず妙に考え過ぎてしまうのでしょうか。

「ツバキ」の名の由来は、光沢があるという古語の「艶葉木(つやはき)」、葉に厚みがあるので「厚葉木」、強い葉という意味で「強葉木」、落ちた花が刀の鍔に似ていることから「鍔木」など諸説あります。
古事記では「都婆岐(つばき)」、日本書記では「海石榴(つばき)」の字で表現され、万葉集で初めて「椿」という日本で作られた漢字で登場しますが、「桜」や「梅」を詠ったものの方が多く残されています。
室町時代になり、日本の美意識のひとつである侘・寂に重きをおく東山文化を築いた足利義政の代で、調漆や螺鈿の題材として椿がよく用いられるようになりました。また、豊臣秀吉が茶の湯に好んで用いたことや、江戸時代には二代目将軍徳川秀忠も椿を好んだことで芸術の題材として定着していき、園芸品種もどんどん増えていきました。

今回は、瓢箪をくりぬいた花器に生けました。先端が龍のように見えるので、主人のお気に入りの花器です。