お伊勢さん参拝
第55回は、お伊勢さん参拝のお話です。
なんとか、遷宮より間もないうちに参拝に行けたらいいなあと考えておりましたが、突然その願いがかない、本年の正月休みはお伊勢さんへ参ることになりました。
お伊勢参りは外宮から、と聞きました。
大きな鳥居をくぐると、私の住む日常の世界とは全く違う、神様のおはします世界の空気が流れていました。住む世界が違うのに、人間である私と大自然とを隔てなく境なく調和してくださっているような安心感は、とても不思議なものでした。
まずは天照大御神の「食」を司る神様、豊受大御神へ御挨拶を。
飲食に大きく携わる暮らしをしているので、どうぞこれからもお客様や私たちをお見守りくださいますよう手を合わせてまいりました。
内宮へは、翌日すぐそばの宿泊先から、まだ暗いうちの早朝に参拝しました。
ひとが少なく、玉砂利を踏む家族と自分の足音がしっかり聞こえていました。深呼吸して吸い込む神聖な空気の密度が濃かったのではないかと思います。
今回の旅の目的は神様へのお参りだったので、内宮の別宮で、伊弉諾尊(いざなぎのみこと)と伊弉冉尊(いざなみのみこと)と一緒にお祀りされている月読宮と、外宮の別宮である月夜見宮へも参りました。両方とも、天照大御神の弟神である月読尊を御祭神とされています。
主人が生まれ育った「桂」は、貴族が月を観るために別荘を建てるくらい、昔から月の名所であります。また、桂の隣の上桂には由緒ある月読神社があります。
実は、私のふるさとも月の名所で、「月見山」という地名が残っていたり、かつての西本願寺の大谷光瑞別邸を、明治時代に宮内庁が買収し、今上天皇御成婚記念として神戸市に賜られたという須磨離宮公園があります。
主人共々、月に不思議な縁を感じているので、余計に足が向いてしまいました。
神様の空気を身体と心いっぱいに沁みこませた正月休みを経て、少しは清められたでしょうか…
伊勢神宮は個人のお願いをするところではないこと、私幣禁断などは頭に入っていましたし、実際に神宮にいらっしゃる警備の方からは、神殿の前の白い布は、本来なら敷くものではないけれど、賽銭を投げいれてしまう方によって神域が穢されないように敷いてあると聞きましたが、神殿を前に手を合わせると、ただただ私情がなくなり、「どうぞお見守りください」という心だけでいっぱいでした。
2月は立春ですね。神様に見守られているという謙虚な気持ちを忘れず、日々励みたいと思います!
本年より、明治時代に廃れてしまった月末最終日「晦日(みそか)」の日にお蕎麦を食べるという風習に習い、〇隆兵そばでは月末最終日は大晦日と同じように単品営業を始めます。
ちなみに、月に縁があると言えば、ひと月の最終日を「晦日」と言うことについても、月を暦のもとにしていた旧暦時代の名残なんですね。月相を表す弦(半月)・望(満月)・晦(つごもり)・朔(新月)に由来し、「朔」は月の現れで「晦」は月の隠れることを意味しています。
どなた様でも、「お蕎麦一杯!」
普段の営業はミニセットもしくはコース料理、毎月末最終日はおそばの単品営業、私たちもそれぞれの営業をそれぞれに楽しみたいと思います!
どうぞお気軽にお出かけくださいませ!