妙心寺退蔵院
第60回は、妙心寺退蔵院です。
桂川に架かる八条通りの桂大橋を東に渡りしばらく行くと、天神川が流れています。春になると満開の桜並木が延々と続くこの天神川をずっと北に上がっていくと、臨済宗妙心寺派の大本山妙心寺があります。
この妙心寺内の塔頭のひとつ、「そうだ 京都、行こう」のポスターにも登場した退蔵院を参拝してまいりました。
今から600年ほど前、室町時代に建立された歴史ある塔頭です。
応仁の乱で一度は焼失してしまいますが、のちに再建されて今に至ります。
京都には少し歩けばこういった歴史深い建造物が至るところに溶け込んでいます。主人曰はく、それが当たり前すぎて地の人間ほどきちんと観光したことのないお寺が多いそうで、じっくり廻るのは初めてだったようです。
それでも、主人は妙心寺には昔からご縁をいただいていました。大珠院という塔頭の故盛永宗興老師様の教えに触れていたので、私も、主人の両親に勧められて盛永老師の「子育てのこころ」という本と他にも何冊か読ませていただきました。
そして、今では、絶対に手離せない教えとして、またいつでも読めるよう本棚に収めてあります。
退蔵院の余香苑にはあまりにも有名な見事な紅しだれ桜がありますが、私たちが訪れたのは新緑の頃で、爽やかな若葉が心地よい木陰を作ってくれていました。新緑で覆われて清々しい苑内に水琴窟を見つけました。耳を澄ますと水琴窟から聞こえてくる瑞々しい音色に心まで清らかになっていくようでした。
こちらのお庭は室町期に絵師狩野元信によって作られた枯山水庭園と昭和期の池泉回遊式庭園が融合されているそうで、そのためか、私たちが参拝した頃は新緑が眩しくあちこちにつぼみが見え一年を通じて四季折々の自然を感じられるようなお庭でした。
私たちにとって、休日に神社仏閣へお参りに行くことは一番気持ちいいリフレッシュ法かもしれません。
〇隆兵そばからほんの少し足を延ばしただけでも、あちらこちらに由緒ある建造物に出会えます。拝観前後には、喉を爽やかに潤す〇隆兵そばのおそばを是非召し上がりにいらしてください!