月読神社
第61回は、松尾の月読神社です。
阪急桂駅から嵐山線で二駅先の松尾駅に、松尾大社の摂社である月読神社があります。普段はとても静かな神社で、その名の通り月読命を御祭神としてお祀りされています。
月読命はイザナキノミコトの右目からうまれ、左目からうまれた天照大御神、鼻からうまれた素戔嗚命とともに「三貴子」とされています。
兄弟神である天照大御神と素戔嗚命を祀る神社はそれぞれ全国に何万、何千社とあるにもかかわらず、月読命を祀る神社は全国に80数社しかないそうです。古代神話での登場回数も、その二人の神様と比べると極端に少ない月読尊。
松尾にある月読神社は歴史が深く、その由緒は日本書紀にも登場するほどで、創建は487年、今からおよそ1500年以上も前のことです。
境内には「月延石」という石があり、神功皇后が身ごもられたときにお腹を撫でて安産を祈祷されたという石で、現在では安産祈願の神社でもあります。
毎月戌の日には神主さまが安産祈祷をしてくださいます。私たちも、子を授かった五ヶ月目の戌の日には、こちらへお参りいたしました。
神功皇后は、ヤマトタケルノミコトを父に持つ仲哀天皇とご結婚され、勇敢な方として神話に登場されます。仲哀天皇のお亡くなりになられた後に、お腹に赤ちゃんがいながら新羅、百済、高句麗の三韓征伐に出発されます。
皇后はこの時、3個の石(鎮懐石)を腰に巻きつけて、腰を冷やすことによって、皇子の出産を遅らせたそうです。この石のおかげで、妊娠15ヶ月目に、筑紫の地に帰ってきてから無事に応神天皇を産むことができました。
応神天皇は、「八幡さま」で親しまれている八幡神社の御祭神です。
その、たった3個の鎮懐石が、壱岐の本宮八幡神社、福岡県の鎮懐石八幡宮、そして京都・松尾の月読神社に奉納されているそうです。
月読神社の「月延石」がこの鎮懐石だということですが、神話のなかの神様は実在されていたかどうかさだかではない神様も多く、応神天皇は実在されていたそうですが、神功皇后が実在されたかどうかは不詳のようです。
でも、神話の世界は想像が膨らんで楽しいですね。
月読神社の境内には、月読命を崇敬したという聖徳太子も祀られてあります。
私自身は、お世話になっている曹洞宗の老師様より聖徳太子の姿が描かれた胎教軸をお借りしまして、子を授かってから無事に生まれるまでの間、胎教のひとつとしてそのお軸の前で手を合わせていました。
小さな神社ですが、厳かな雰囲気でとても落ち着いた気持ちになれる場所です。
蝉時雨のなか、是非訪れてみてはいかがですか。暑さもしばらく忘れられるかもしれません!
歩き疲れたら、隆兵そばの冷たいおそばで喉を潤しにいらしてくださいませ!
今の時期は、盛りそばはもちろん、美味しいお出汁の季節限定すだちそば、ぴりりとした辛味が食欲をそそる辛味大根おろしそばが人気です!