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2010.10.01

南蛮煙管

南蛮煙管

第6回は、9月下旬に生けていた南蛮煙管(ナンバンギセル)です。

この花は、葉緑素をもたないのでススキやミョウガなどの根に寄生して、そこから養分をもらって生きているハマウツボ科の寄生植物です。

1542年に日本に鉄砲が伝来した時に日本人は初めて煙草を目撃しますが、1601年にスペイン人宣教師が伏見で徳川家康に煙草を献上してから1605年頃に京都で流行し、その後急速に普及したといいます。
かつて「南蛮人」と言われていたスペイン人やポルトガル人の船員たちが煙草を吸うのにくわえていたクレイ・パイプ(陶器製のパイプで、日本の煙管の原型になったもの)の姿に見立てて、「南蛮煙管(ナンバンギセル)」と呼ぶようになったそうです。

古くは、万葉集に「道の辺の 尾花(ススキ)が下の思ひ草 今更々に なにをか思はむ」という歌があるように、「思い草(思草・オモイグサ)」と呼んでいたそうです。 ススキの陰にうつむきかげんに咲く花の様子が、首を傾けてなにか物思いにふけるように見えたのでしょう。

ほかの植物からの養分に頼らないと生きていけない南蛮煙管。
「寄生」という言葉は何かネガティブなイメージもありますが、地球上のすべての生き物はそれぞれがそれぞれに頼らないと生きていけません。
ありとあらゆるものに生かされて生きているという有難い幸せな今この一瞬一瞬を、大切に努めていきたいと思います。