2017.04.17
大いなる普通
隆兵そばのテーマは大いなる普通です。普通の普通ではなく大いなる普通。
例えば、今まで食べたことのない料理で、とても衝撃を受けた時、人はそれを感動と呼びます。
逆に、いつも食べている料理(例えばほうれん草のごま和えなど)を食べて感動にまで至ることはほとんどありませんが、もしそれで感動したならば、それこそホンマモンです。
珍しい食材や珍しい調理方法、珍しい取り合わせに感動するのは初めだけです。慣れてしまえば飽きてしまうのが人間の本質だと思います。だからこそ、料理人は工夫を続けて飽きさせないようにするのだと、それもわかります。以前の自分もそうでした。
しかし僕はある日 そこに一種の虚しさのようなものを感じたのです。
自分の求めるものは珍しいものではなく、普通の、いや、普通を極めることなのだと。
普通のものが ありえない美味しさであること。また、その美味しさというものが、あくまでもきれいであること。品のない濃さやわかりやすさだけの旨さでないこと。
本当に何処にでもありそうなのに何処にもなく洗練されたもの。
禅問答のようですが、本当に良いものは普通なのです。いや、大いなる普通なのです。
これからも大いなる普通を目指し普通でない道を歩いていこうと思います。