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2014.01.01

苔香居(たいこうきょ)後編

苔香居(たいこうきょ)後編イメージ

第43回は、桂探訪第5章「苔香居(たいこうきょ)」後編です。

新年明けましておめでとうございます。
旧年中は格別なご高配を賜り、まことに有難く、厚く御礼申し上げます。
本年も従業員一同より一層精進してまいりたいと存じます。
どうぞよろしくお願い申し上げます。

苔香居(たいこうきょ)後編イメージさて、今回は「苔香居」後編として、年2回春・秋に一般公開される「虫干しの会」の様子をご案内いたします。
虫の害やカビ、変色などを防止するために、着物に風を通して湿気をとる「虫干し」。その機会に、申込みをすれば、山口さんのお母様やお祖母様の、御婚礼の折にお召しになった衣装や、豪華な刺繍の着物や帯、普段着の紬織など代々受け継いでこられた着物数百点がお座敷に広げられ、見学することができます。ひとつひとつ大事になさってこられて、手入れをされて、そういう年月を経たものに触れ、想いの温かさとなって伝わってきました。

見学をしていると、機械による大量生産ではなく、昔の方の手によって繊細で緻密に作られたものがいかに洗練されているかが、色々な角度で発見できます。
洗濯は手で、炊事は炭を熾すことから…今では便利になってしなくてもよくなった面倒なことを、暮らしのなかで当たり前のこととしてやってこられ、自然と純粋に共存して暮らしていた方たちが生みだしてきたもの。ボタンひとつである程度完成してしまう暮らしをしている私。一番大きな違いは、生活力というか生きるための根本的な人間力の深さだと痛感しました。

苔香居(たいこうきょ)後編イメージ虫干しの会では、受付の際に、お蕎麦券、コーヒー券、お茶席券をいただきます。素敵な着物や調度品を心の肥やしにしながら、御当主山口さんの手打ち蕎麦(隆兵そばのお蕎麦を、と言いたいところですが、研究熱心な山口さんは、お蕎麦にも造詣がおありなのです!)と、りっぱなおくどさんで炊かれたおいしいご飯とそのおこげがいただけます。
食後は、お茶室「泰庵」で裏千家学園の生徒である方がお薄を点ててくださいました。躙り口から腰をかがめて二畳のお茶室に入り、至福のひとときを味わえました。お茶席では、幅広い教養・趣味をお持ちで器用な山口さんが初めて作られたというお茶杓を拝見いたしました。スマートなそのお茶杓、銘は「はじめの一歩」でした。
最後に、別棟にてカフェサボローゾ珈琲鑑定士浜崎寛和さんによる、とても香り豊かな苔香居オリジナルブレンドコーヒーをいただき、休日を有意義に過ごすにはぴったりの、充実の会でした。

春と秋で季節によってまた違う趣を楽しみに、度々訪れるお客様もいらっしゃるそうです。
ご縁がございましたら、是非虫干しの会に申し込まれてみてはいかがでしょうか。京都・西の里にもこんなに素敵な文化遺産がありますよ!

苔香居(たいこうきょ)後編イメージ