福成寺
第46回は、桂探訪第5章「福成寺」の紹介です。
昨年の6月、滋賀県にある臨済宗の永源寺で晋山式(お寺に新しい住職が就任する際に行われる儀式)が行われました。永源寺第144世に就任した道前慈明老師様は、私たちもとてもお世話になっている和尚様でした。
元々は〇隆兵そばから車で5分ほどの上桂にある苔の美しいお寺「福成寺(ふくじょうじ)」の御住職であられ、そのご縁で店にもよくお越しになってくださっていました。
晋山式の前に京都のホテルで慈明老師の送別会のような、老師様を囲む会があり、主人とともに参加させていただきましたが、そこで慈明老師様のお人柄の素晴らしさを色々な方から聞かせていただきました。
私たちもなぜかまた会いたくなるなあと感じる不思議な魅力をお持ちになっている老師様ですが、落ち着かれた頃に家族で永源寺へ遊びに行っても、相変わらずまとう空気は地元にいらっしゃった頃のそのままで、何にも捉われや執着のないような飄々としたお姿が、やっぱり魅力的だなあと感じました。
福成寺は、今は副住職でいらっしゃるドイツ人のライさんが守っておられます。ドイツでは有名な哲学者でいらっしゃったそうですが、日本の「禅」に興味を持ち日本でその教えに身を投じていらっしゃるライさんは、明るくて親しみのある方です。主人は職人の国ドイツにとても興味があるようで、ライさんに日本語を教える代わりにドイツ語を教わろうという魂胆を抱いていますが、身につくのはいつになることやら。和食が無形文化財に登録されたことで外国のお客様が増えるなら、私も便乗しなければ!と思っています。
少し高台にある福成寺からは京都市街が一望できます。山門をくぐると手入れされた美しい苔の庭、その奥には見事な山桜があり、春にはとても美しく咲きます。花の見頃を迎えた質素だけれどあたたかい臨済宗のお寺は、洛西観音霊場31番札所でもあります。お花見観光に訪れてみてはいかがでしょうか。
花よりだんご、慈明老師お墨付き(??)の隆兵そばもお忘れなく!